ヒット曲とシンコペーション

米津玄師のLemonは、どうしてこんなにヒットしたんだろう。

コード展開、歌詞、プロモーション、いろんな要素があるだろう。

そういったなかで、多くの人の耳に残るヒット曲は、わたしたちの好きなリズムや繰り返しを、多用しているように思う。

 

ところで、Lemonには、曲中に一貫して、シンコペーションが使われている。
シンコペーションというのは、裏拍にアクセントをおき、頭拍をあえてスラーでつないで弱拍にしてしまうリズム手法である。

上の例では、一拍目の裏拍が強拍になっていて、二拍目の表拍が弱拍になっている。

シンコペーションの恩恵を被り大ヒットした曲はたくさんあって、Shape of youなんかも一例だ。

この曲では、最初から最後まで常にこのリズムが基調になっていて、C#m, F#m7, A, B のコードが延々と流れている。

アウフタクトやシンコペーションなど、裏拍をうまく使ったリズムは、人の耳に心地よい。

また、繰り返しは、単に耳に心地よいだけではなく、
音楽が進行していき、パッセージが繰り返して再現されていくなかで、
曲全体のフレーズの意味合いが、絶えず変化していく。

平野啓一郎の、”マチネの終わりに”の表現を引用するならば、

曲は常に、人生のように、未来だけではなく過去に向かっても広がっていて、

同じに聴こえるはずのものを、変えてゆく。

その変化も楽しい。

 

ちなみに、シンコペーションはクラシック音楽でもよく用いられていて、
わたしの好きな、ショパンのマズルカの主題にも、使われている。

 

身の回りの心地よいリズムには、パターンが隠れているかもしれないと思うと、おもしろい。

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